何かの調査でちょっとメール送受信を確認したい、ということがあるかと思います。今回は、そんな時に役立つさっとメールサーバーを構築する手順を紹介します。
はじめに
メールサーバーは、Dockerイメージtvial/docker-mailserverを利用して構築します。SMTPとIMAPを構成しています。実験環境として、サーバーにUbuntu20.10、クライアントにWindows 10を用意しました。
メールサーバー構築
準備
サーバー側にdockerおよびdocker-composeのモジュールが必要です。まだ導入していない場合、これらのモジュールを用意してください。
Ubuntu20.10でのdockerおよびdocker-compose導入手順は、Ansible AWXを構築するにも記載しています。
モジュール入手
メールサーバー構築に必要なモジュールを4ファイル入手します。
wget https://raw.githubusercontent.com/tomav/docker-mailserver/master/setup.sh
wget https://raw.githubusercontent.com/tomav/docker-mailserver/master/docker-compose.yml
wget https://raw.githubusercontent.com/tomav/docker-mailserver/master/mailserver.env
curl -o .env https://raw.githubusercontent.com/tomav/docker-mailserver/master/compose.env
chmod a+x ./setup.sh
ls -la
環境設定
必要に応じて、環境設定を見直します。今回手順では、メールのドメイン名を一部変更しました。
vi .env
...
DOMAINNAME=domain.local
...
コンテナ設定
コンテナを起動して、導入に必要な初期設定を行います。ここで設定しているアカウント名およびパスワードは任意です。
sudo docker-compose up -d
sudo ./setup.sh email add user1@domain.local P@ssw0rd
sudo ./setup.sh alias add postmaster@domain.local user1@domain.local
sudo ./setup.sh config dkim
sudo docker restart mail
SELinux環境で構築する場合は、tvial/docker-mailserverの[Get up and running > with SELinux]を参照してください。
メールアカウント追加
メールアカウントを別に追加する場合、下記コマンドを必要分実行してください。
sudo ./setup.sh email add <user@domain> [<password>]
クライアント設定
メールクライアントとして、Windows 10にThunderbirdを設定します。
アカウント設定
サーバーに設定した、アカウント名とパスワードを入力します。あとは、「手動設定」で行います。
SMTP/IMAPのサーバー欄に、UbuntuサーバーのIPアドレスを入力するだけで、「再テスト」ボタンクリックで、あとは自動的に設定してくれます。
メール送受信
自分自身にメールを送信すると、無事受信もできました。
まとめ
今回の手順で、一昔前は長時間かけて構成していたメールサーバーをあっという間に構築できたと思います。メールサーバー構築作業はさっと終わらせて、本来着手したい作業に時間を費やしていきましょう。
今回利用したDockerイメージtvial/docker-mailserverは他にもいろいろな機能を搭載しているので、興味のある方はHPから使い方を参照してください。
以上、Dockerでメールサーバーを構築する手順の紹介でした。
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