Windows 10 Pro(20H2)上のHyper-VにKali Linuxをインストールする際、デフォルトのままだといくつか問題があったので書き留めます。
また、拡張セッション機能を有効にして運用を楽にしたいと思います。
問題点
Hyper-Vにデフォルト設定のままKali Linuxをインストールすると、下記2点の現象に遭遇しました。
- インストールが全く進まず、”Restart now”が表示される
- “base-passwdを設定しています”画面で止まってしまう
まず、1点目のRestart nowの件ですが、これは仮想マシン設定のセキュアブートを無効にすることで解決しました。この設定は、Hyper-Vでは常套手段の様です。
また、2点目のbase-passwdの件は、Kali Linuxのインストールメディアとして、バージョン2020.2を使用すると発生していました。現在最新の2020.3を用いれば問題は解消しました。
以上を踏まえたインストール方法を下記に紹介します。
インストール
主な点のみ記載します。他は任意で、デフォルト設定で問題ないです。
仮想マシン構成時
まず、仮想マシン構成時に下記設定をします。
- 世代の指定:第2世代
- ネットワーク構成:DefaultSwicth
- インストールオプション:Kali Linux(2020.3)のブートイメージ
仮想マシン設定プロパティ
仮想マシン構成後、起動前に仮想マシン右クリック–設定から、設定プロパティを変更します。
セキュリティ–セキュリティブートを無効にします。
拡張セッション設定
Kali Linuxのインストールが完了したら、拡張セッションをセットアップします。
拡張セッションが有効になっていると、ホストとのクリップボード共有、ドライブ共有、画面解像度の変更が容易になります。
セットアップ
以下の手順で、Kali Linuxに拡張セッションをセットアップします。参照元は、マイクロソフト資料およびそのinstall.shです。
Kali Linuxの設定
下記を実行し、必要コンポーネントのインストールとサービス構成を行います。
$ sudo apt install xrdp
$ sudo systemctl enable xrdp
$ sudo systemctl enable xrdp-sesman
xrdp.iniを変更します。
$ sudo vi /etc/xrdp/xrdp.ini
port=vsock://-1:3389
use_vsock=true
security_layer=rdp
crypt_level=none
bitmap_compression=false
sesman.iniを変更します。
$ sudo vi /etc/xrdp/sesman.ini
X11DisplayOffset=0
FuseMountName=shared_drives
Xwapper.configを変更します。
$ sudo vi /etc/X11/Xwrapper.config
allowd_users=anybody
以上の設定が完了したら、一旦仮想マシンをshutdownします。
ホスト側仮想マシンの設定
管理者権限でPowershellを起動し、以下のコマンドを実行します。
> Set-VM -VMName 仮想マシン名 -EnhancedSessionTransportType HvSocket
以上でセットアップは完了です。仮想マシンを起動すると、以下の画面が現れます。アカウント情報とパスワードを入力して、ログインします。
画面解像度
Hyper-Vマネージャーで、Kali Linux起動状態から、仮想マシンをダブルクリックすると、仮想マシンウィンドウが表れて、以下のようにRDPでの画面解像度を問い合わせてきます。好きな解像度に変更しましょう。
ドライブ共有
上記の解像度画面で、オプションの表示–ローカルリソースタブをクリックすると、Kali Linux側にマウントする、ホスト側のドライブ一覧が表示されます。マウントすることで、ホスト-Kali Linux間で簡単にファイルを共有することができます。
クリップボード共有
拡張セッション設定により、クリップボードもホスト-Kali Linux間で共有することができます。なので、文字列やファイルコピーが容易になります。
まとめ
上記に注意点を回避することで、Hyper-VにKali Linuxをインストールすることができました。
また、拡張セッション機能を有効にすることで、Virtual BoxやVMware等の他仮想環境に負けない利便性が得られると思います。
以上、Hyper-VにKali Linuxをインストールする方法の紹介でした。
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