セキュリティの現場でも、経験は大きな財産です。エクスプロイトの練習するためには、脆弱性を有する環境が必要となります。今回は、脆弱性をもつサーバーをHyper-V上に構築する手順を紹介します。
イメージのダウンロードする
脆弱なサーバーを2種類用意します。どちらのサーバーも仮想マシンイメージをダウンロードして、起動させるだけなので準備は非常に簡単です。
- Metasploitable2
metasploitable-linux-2.0.0.zip
一般的な脆弱性をセットアップした、Ubuntu仮想マシンです。一般的なサービス攻撃の練習用に用います。 - OWASPBWA (OWASP Broken Web Apps)
OWASP_Broken_Web_Apps_VM_1.2.zip
Webアプリケーションをターゲットとした、脆弱なWebアプリが仮想マシン内に詰め込まれています。
イメージをコンバートする
入手したイメージはVMDK(VMWare用)形式のため、Hyper-V用のVHDX形式に変換します。以前はMicrosoft Virtual Machine Converter(MVMC)というツールが配布されていた様ですが、現在は配布停止(Microsoft Virtual Machine Converter (MVMC) is being retired)されています。
なので、今回はVirtual Box同梱のVBoxManager.exeの力を借りて、VMDK→VHDXを実現します。
VMDKをVHD形式に変換する
まず、VMDK形式をVHD形式に変換します。変換するのは、Virtual Boxに同梱されているVBoxManagerというツールです。コマンドプロンプトから以下のコマンドで、Metasploitable2のイメージを変換します。
> VBoxManage.exe clonehd Metasploitable.vmdk Metasploitable.vhd --format vhd
0%...10%...20%...30%...40%...50%...60%...70%...80%...90%...100%
Clone medium created in format 'vhd'. UUID: fd2d4fdc-d485-456c-bd59-acc7f781fc20
これで、VHD形式のファイルが作成されます。
OWASPBWAの方も、同じように変換します。
> VBoxManage.exe clonehd "OWASP Broken Web Apps-cl1.vmdk" OWASP_Broken_Web_Apps.vhd --format vhd
0%...10%...20%...30%...40%...50%...60%...70%...80%...90%...100%
Clone medium created in format 'vhd'. UUID: 375db93b-9b11-45c7-b016-ff20ab666e25
VHDをVHDX形式に変換する
VHD形式をVHDX形式に変換するには、Hyper-Vの”ディスクの編集”機能で行います。
Hyper-Vのコンソールから、[ディスクの編集]をクリックし、[変換]から[VHDX],[容量可変]を選択します。
変換選択
これで、VHDX形式のファイルを入手することができます。
サーバー起動
仮想マシン作成
Hyper-Vで新規仮想マシンを選択します。主な設定事項は下記です。
- 世代の指定は、第一世代を選択
- ネットワーク構成は、インターネットに直接接続しないスイッチを選択
- ハードディスクは、既存のハードディスクを使用するで、変換したVHDXファイルを選択
上記は、Metasploitabl2・OWASPBWAとも共通です。
起動
それでは、サーバーを起動してみましょう。初回は少し時間がかかります。
サーバーログインの認証情報は、下記のとおりです。
- Metasploitable2
msfadmin / msfadmin - OWASPBWA
root / owaspbwa
Metasploitable2起動
OWASPBWAP起動
まとめ
ペネトレーションテストなどのスキル向上には、練習が不可欠です。自前の環境を用いて、どんどん練習しましょう。その際、脆弱サーバーをセキュアなネットワークに配置することと、ターゲットを間違えないことには注意してください。
以上、評価用脆弱サーバーをHyper-Vに構築する手順の紹介でした。
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